支点構築の流れ

 

 

支点は、パーティー全体の命を預かる最後の要。
スタカットビレイシステムは、一方が確実に大地と繋がっている事で安全が成り立っています。信頼のおける支点の構築は、安全なクライミングを楽しむ上で絶対に欠かす事のできない技術です。

ここでは最も基本となる、シングルロープで相互登攀を行う場合のシステムを紹介しています。

しっかりと指導を受けた後の復習にご活用下さい。

 


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マルチピッチにおける支点構築の流れ

~ 確実な支点、終了点を作れる事は、安全なクライミングの必須技術です ~

 

 

マルチピッチクライミングやアルパインクライミングを楽しむ上で、絶対に欠かすことのできない大切なスキルに支点構築技術があります。
沢の滝など、シングルピッチの壁をトップアウトする場合にはフォロアーのビレイが必要になります。強固な支点を構築し、フォロアーの安全をしっかりと確立しなくてはなりません。
またマルチピッチクライミングなど、大きな壁を登る場合に関しては、自分も含めたパーティー全体の命がこの支点にかかります。絶対にミスは許されません。

安全なクライミングを楽しむ上でも、しっかりと確実に身につけましょう!

 


支点構築には以下の装備が必要です。

・ダイレクトビレイに対応したビレイデバイス + ビレイデバイス用カラビナ
・安全管付きカラビナで作ったクイックドロー

・120㎝のナイロンスリング + 安全管付きカラビナ

・セルフビレイコード + 安全管付きカラビナ

・支点用安全管付きカラビナ

※ アルパインクライミングでは、7mm × 7m 程度の細引きも用意しましょう。



アンカーポイントに到着したら、次のピッチがどちらの方向に進んでいるのかを確認します。
次に進む方向とは逆側のハンガーに、外側から内側に向かって安全管付きカラビナを取り付けます。この安全管付きカラビナに、スリングを通しておきます。



カラビナを反転させ、自分に繋がっているメインロープをクローブヒッチで結びます。このメインロープがセルフビレイとなりますので、行動が制限されない程度に長さを調整します。
安全管付きカラビナのロックは忘れずにチェックしましょう!



続いて安全管付きクイックドローを進行方向側のハンガーにかけます。こちらも外側から内側に向かってクイックドローをカラビナにセットします。



支点の頂点にクローブヒッチでカラビナを取り付けます。
流動分散にする場合、必ず結び目による可動域制限を行うようにして下さい。



支点を構築したら、セルフビレイコードによるバックアップを行い、必ず2点以上からセルフビレイが行われている状態にして下さい。
この時、メインロープでのセルフビレイに先にテンションがかかるように長さを調節して下さい。セルフビレイコードでのセルフビレイは、あくまでバックアップです。
ここまでできたら、パートナーに"ビレイ解除"とコールを出します。



パートナーからビレイ解除のコールが帰ってきたら、"ロープ引きます"とコールを出し、不要なロープを自分のセルフビレイに振り分けます。
フォローは、ロープのあまりが全て出たら"ロープいっぱい"とコールを出します。



ロープいっぱいとのコールを受けたら、ビレイデバイスのセットを行います。
まず通常ビレイを行う際と同じように、向きに注意してロープをセットします。

 



続いてビレイデバイスのダイレクトビレイ用の穴に、支点中央のカラビナを通します。これでダイレクトビレイの準備が完了します。

セットが完了したら、フォローに"ビレイセットOKです"と声をかけましょう。
コールを受けたフォローは、支点を回収します。

この時、安全管付きクイックドロー側から回収し、バックアップセルフをそのハンガーにかけ直します。その後、メインセルフを解除し、支点に使用した道具をまとめます。

 

すべて準備が整ったら、"登ります"とコールを出し、"どうぞ"と返答があったら、バックアップセルフを解除します。



下側のロープ(握り手側のロープ)を引き、パートナーに常にテンションがかかるようにビレイを行います。
フォロークライマーは、ロープの流れるスピードに併せて登って下さい。
決してたるみを作ってはいけません。



フォローは、支点に到着したらまず最初に、安全管付きクイックドローにクローブヒッチでセルフビレイをとります。続いて支点にバックアップセルフをとります。



ビレイヤーは支点からビレイデバイスを外し、そのまま自分のハーネスのビレイループにビレイデバイスをセットします。

お互いにビレイのセットを確認し、装備の受け渡しなどを行います。
準備が整ったら、お互いが確認の上で登り始めましょう。



まずメインセルフを解除し、そのままクリップします。
この安全管付きクイックドローが、そのまま1ピン目のクリップとなります。
こうする事で、墜落係数2の墜落を防ぐことができる上、ビレイヤーが下に向かって引っ張られてしまう事態も防ぐことができます。

最後に"登ります"とコールをかけて、バックアップセルフを解除します。



支点構築は、できたつもりになって間違えて覚えている方がとても多いように感じます。
また部分的に手抜きをして、セルフビレイを1点からしかとっていなかったり、ハンガーに繋ぐカラビナが2点とも安全管付きカラビナでないカラビナを使っていたりなど、リスクを伴う支点構築をしている方も見かけます。
支点構築は、仲間の命を預かる大切な最後の砦となります。
強固で確実性の高い視点を構築しましょう。

初心者のかたは、このブログで学んだだけで覚えたつもりにならないようにして下さい。
できたつもりになっても、実際には間違えていることがあります。
ここでの説明は、あくまでも予習・復習に活用して頂くに留め、必ず十分な経験を有する方の指導の元で技術を習得して下さい。

その上で、何度も練習し、一手も迷わないで支点構築が行えるようになるまで練習を繰り返しましょう。

このブログ記事が、これから大きな壁に挑戦する登攀者の安全に役立てばと思っています。
安全なクライミングをお楽しみ下さい^^

 

 

よりしっかりと学習したい方は講習もご利用下さい!


支点構築技術講習

 

マルチピッチクライミングやアルパインクライミングで必ず必要になる、支点構築技術をお伝え致します。全てのクライマーに覚えて頂きたい重要技術です。

しっかりと学習し、クライミングの安全にお役立て下さい。

 

集合場所:Kuri Adventures オフィス   料金:2,500円(税別)

 



マルチピッチクライミング講習

 

大岩壁を登るためのシステムを覚えるための講習です。

アルパインクライミング、沢登りなどを行う上でも必須となる技術です。

リードクライミングをマスターしている方を対象としています。

 

対象:リードクライミングができる方  料金:13,880円(税別)

 



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