信頼の相棒、ブラックダイヤモンド  バイパー

 

 

ブラックダイヤモンド社のアックス " バイパー "。

アイスクライミングの為に開発された道具ですが、現在ではもっと特殊な形をした、アイスクライミング専用のアックスにとって変わられつつあります。
しかしこの手のデザインのアックスは多様性があり、実に様々な目的に使えます。

アイスクライミングはもちろん、冬季のバリエーションルート、雪山登山。僕の場合は、夏の沢登りの泥壁やツメ、時には草付きの急峻な夏のマルチピッチにも持って行きます!


ブラックダイヤモンド社のバイパーと言うアイスアックスを愛用しています。
現在アイスクライミングでは、よりコンペシティブで特殊なデザインのアイスアックスを使われることが多くなっていますが、バイパーやペツル社のクォークなど、この手のデザインのアイスアックスも根強くラインナップに残っています。

それは実に多様な目的に使えるからでしょう。

僕の場合、このバイパーをそれこそ通年通してかなり多くの山行に連れて行きます。
雪山登山でピッケルの代わりにしたり、夏の沢登りの泥壁やマルチピッチの急峻な草付きでも使います。
手掛かりが無い場所にピックを打ち込むことで、いつでも安定したホールドが得られるのは本当に心強いものです。
またシャフトを地面について杖の様に使う場合に、フォンガーレストが抵抗になって土や雪に埋まりにくい。つまり、杖として体重をかけやすいと言う利点もあります。またこの時、地面に刺さらないからこそグリップが汚れず、ビオトラクションの際に不快感が少なくなります。


こう書くと、雪山で使いにくいと思われるかもしれませんが、案外そうでもありません。
安定しない柔らかい雪の場合には特に問題無く刺さりますし、むしろフィンガーレストの抵抗によって抜けにくくなります。
またシャフトがまったく刺さらないくらい硬い雪の場合、ピックが良く効くので問題ありません。
スタンディングアックスビレイも、ピックで行っています。

バイパーはシャフトが特殊な形状をしていて、これが重量増につながっています。
重量が重いので硬い氷にも弱い力で簡単に刺さる一方、正確な場所に打ち込むことが難しいという欠点もあります。

この為、アイスクライミングシーンではバイパーを使っている人の数が案外少なく感じます。
しかしこの特殊な形状のシャフトは剛性が高く、岩での信頼感に大きく貢献してくれるんです。
小さなクラックにピックを入れ、斜め方向に捻る力を加える事でカミング効果を発生させ、ホールドとするトルキングと言う技術があります。
この技術はとても役立つ素晴らしい技術ですが、捻る力を加えた際にシャフトにかかる負荷がとても大きくなります。
シャフトがたわむ感覚が手に伝わる不安感。それがバイパーにはありません。
圧倒的な高剛性は、この為に与えられたのかも知れません。


僕はバイパーに3つのカスタマイズを施しています。
グリップのすぐ上とシャフトの最上部に、配管工事などで使用する" 自己融着テープ "を巻きつけています。自己融着テープは粘着剤を使用しないテープで、ゴム同士の摩擦でお互いに融着して固定される便利なテープです。
これを巻きつけることで、滑り止めと断熱をしています。
またバイパーのシャフト中央部にはネジ穴があります。このネジ穴は本来ハンドリーシュを取り付ける穴ですが、僕はここにアイボルトを取り付けています。

バンジータイプのリーシュを使用する場合、ヘッドに取り付けるとビオトラクション時に邪魔だし、スパイク(スピッツェ)に取り付けると緩斜面歩行時に邪魔です。シャフト中間に取り付けることで。その双方が交互するシーンでも使いやすくなります。
3つ目は既成品の変更ですが、スノーバーやハーケン、アイスピトンを使用しやすいようにハンマーのみ大きなものに交換しています。
この効果が想像以上に大きく、ハイダガーポジションでの登りが長い時も、手のひらに食い込んで痛くなるような事が無くなりました。
これはかなりオススメのカスタマイズです!

僕個人として、この道具に対する信頼はかなりのものです。確実に山の安全に貢献してくれています。
広義の意味でアルパインクライミングを全般的に行われる方は、選択の一つとして考えてみてください。
いろいろ使えて便利ですよ♪

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