多摩川源流 小菅川本谷
「沢泊」という言葉をご存知でしょうか。読んで字のごとく、沢で泊まる行為のことです。
いまこのページをご覧の方は大なり小なり沢登りというアクティビティに興味をお持ちの方でしょう。Kuri Adventuresのステップアップ実践登山ですでにそれを体験された方もおられるかもしれません。しかし、「沢泊」となるとどうでしょう。まだどこか遠い世界の話のように思ってはいませんでしょうか。しかし、「沢登り」という深遠なる世界にひとたび足を踏み入れたなら、いずれは否応なく経験する世界でもあります。
一日では脱出できない長い沢を遡行し、時間も押し迫ってきてそろそろ幕営場所を探さねばならない。谷の中なのでどこも狭く泊まれるところも多くはない。幕営できそうな平地が増水しても水没リスクがない高さにあり、焚き火を起こして冷えた体を温め装備を乾かし炊事が快適に行える。そんな場所を見つけることは簡単ではありません。
ここがいいんじゃないか?いやもっといい場所が先にあるのでは?そんな逡巡を抱えながら進むうちにも日は暮れていく。沢の中で暗くなってしまったら終わり。残り時間は少ない…そんな焦りの中で、行きつ戻りつしながら妥協に妥協を重ね今日の宿を選定します。
「今日はここをキャンプ地とする!」と一度定めたならもう文句を言っている場合ではない。どんな場所だろうとそこを最適の宿に仕立て、明日の遡行のために体力を回復させる場所にしなければならない。現地にある木や石、ロープワークを駆使してタープや幕、ハンモックなどを設営し、協力して薪を集めて火を起こす。これは整備されたキャンプサイトのキャンプではありません。雨が降っていて湿った薪しか手に入らないこともあります。整地しないと寝られる場所は確保できないかもしれない。すべての作業には応用力が求められます。簡単なことではありません。
でも幕を張り終えて焚き火の火が落ち着いた瞬間、一日放出し続けてきたアドレナリンの放出が止まります。少なくとも今晩はもう緊張を解いて休んでいいんだ。深い安堵とともに、今日一日苦楽をともにした仲間との至福の夜が待っています。
幕営地に到着してすぐ沢水で冷やしておいた飲み物を開缶して焚火の前でお疲れ様の乾杯。肉を焼くもよし、米を炊くもよし。技量がある人ならば、釣った魚を焼くこともできるでしょう。
あの滝の巻きはやばかったなあ、あのナメは最高だったなあ。明日の核心部はどうやって越えようか。下山したらどこの温泉に浸かって何を食べようか。はたまた、沢とはなんの関係もないふだんの人生の関心事や悩み事。焚き火の前ではみな心が裸になり、夜更けまで話に華が咲きます。
翌朝。沢の朝はびっくりするほどひんやりした空気の中から始まります。目覚めてもまだ沢の中にいるという事実と寒さに否応なく再び緊張感を呼び起こされながら、熾火を復活させ朝食をとってテキパキと撤収して焚き火を鎮火。乾かしておいた装備に再び身を包み、冷たい水に足を突っ込む第一歩で再びアドレナリンを絞り出し、今日の遡行を開始します。さて今日はどんな遡行になるんだろう。無事下山できるんだろうか。
…これは「沢泊ツアー」ではなく実践山行です。上記の行動を、自己判断で行っていただきます。
もちろん何も体験していないうちからこれらの判断を正確にできるはずはありませんが、今の自分の技量で「憧れの沢泊」をどこまで自力でできるのか。それを試してみましょう。どこが幕営地に適してるのかわからない、支点が固定できなくてうまく幕営ができない、キャンプ場では何度も焚き火してきたのにここでは全く火が起こせない。いろんなトラブルが出てくると思います。そんなときは講師に遠慮なく相談してください。答えを直接出すのではなく、ヒントを与えつつどうやって自己解決していくのか、いずれは自立して沢泊を伴う沢登りをできる「沢ヤ」になるためにどんな知識や技量が必要なのかの気づきを得る手助けをさせていただきます。
すべてを自分で判断し、沢の中で一晩を過ごして自然と一体化する体験を通して沢登りのより奥深い魅力を体感し、もっとこの世界を極めてみたいという体験になれば幸いです。
さて、そのような舞台として今回選んだ小菅川本谷。東京都心を流れる多摩川の源流域の一つ、山梨県の小菅村を流れる小菅川の本流を行く沢です。山域としては大菩薩山系になります。この山域は水がとても綺麗で、快適に水に浸かる沢登りが楽しめます。美しい渓流には多くの魚が生息し、釣り人にも人気の沢です。そんな沢に、釣り人とのトラブルを避け遅めの時間に入渓します。
入渓地点から幕営地まではすぐ近く。ウォーミングアップ程度に沢歩きの基本を学びつつ遡行することができ、初心者にも安心のルートといえます。午後早めの時間には幕営適地に到着するので、たっぷりと時間を使って沢での幕営を学ぶことができます。全員で相談しながら焚き火サイト、タープ、幕、ハンモックなどを設営していきましょう。想定通りにうまくいくかどうか、自分の経験と創意工夫を試してください。
火が起こせたなら、もう今日は楽しみながら食事を取って寝るだけです。沢登りの楽しさ、難しさ、奥深さについて語り明かしながら過ごしましょう。
翌日は本格的に遡行再開となるわけですが、小菅川本谷の遡行グレードは「1級、登攀グレードII」となります。これはKuri Adventuresで現在開催されている沢登り企画の中でもっとも容易な沢ということになります。つまり初心者向けの沢の中でも簡単な部類。
しかし侮ることなかれ。これはほとんどすべての滝が巻ける(避けて通れる)ことによるグレーディングで、全てに挑戦するならばロープは出す本気の勝負になります。もちろんやるかやらないかは講習参加者の自由ですが、まあ…せっかくですしやりますよね?
昨日いろいろ消費して荷物は多少は軽くなっているとはいえ幕営装備を背負っての登攀。これも今後の沢屋としての自分を完成させるための課題を洗い出す体験となるでしょう。
ただでさえ未経験者にとっては自己判断を伴って行うのはハードルの高い沢登り。さらにその上の「沢泊」となると天上人のやっていることみたいに思えるかもしれません。しかし、この最高の滑走路、「小菅川本谷」なら安心してデビューが可能です。
自然と一体化できる日本ならではの最高の幕営スタイルの一つ、「沢泊」の世界に足を踏み入れてみませんか?その先には沢登りの無限の楽しみの世界が待っています。
~ 日程 ~
・2026年8月22日(土)〜23日(日)【予約締切 8/19(水) 19:00】
~ 参加条件 ~
◯ 概ねコースタイム通りに歩ける方
◯ 装備をしっかりとご用意頂ける方
◯ バリエーションルート入門講習 を受講された方
~ タイムスケジュール ~
初日
08:00 新宿住友ビル 南側 集合
09:30 上野原駅 着・集合
10:30 道の駅こすげ
10:45 雄滝駐車場
11:30 入山
14:00 幕営地
翌日
06:00 行動開始
13:30 脱渓
16:00 雄滝駐車場 着
16:30 道の駅こすげ(小菅の湯) (希望者は入浴・食事が可能です)
18:30 上野原駅 解散
20:00 新宿住友ビル 南側 解散
※ 遡行の進捗・渋滞などにより、スケジュールが遅れる場合も御座います。
~ 集合場所 ~
集合場所は、以下の2ヶ所から選択できます。
新宿駅に集合の方は、無料送迎を行います。マイカーでお越しの方は、お車で道の駅こすげに指定時間までにお越し願えます様お願いします(現地まで車で同乗などを行うかを相談します)。
新宿住友ビル 南側 中央通り沿 8:00 集合
新宿駅西口から地下舗道を通って徒歩8分ほどとなります。都営大江戸線 都庁前駅 A6出口の前の車道、都庁通りの橋の下付近に送迎車が止まります。
上野原駅 9:30 集合
道路状況によって遅れが生じることがあります。
予めご了承下さい。
道の駅こすげ 10:30 集合
道路状況によって遅れが生じることがあります。
予めご了承下さい。
~ 催行人数 ~
最小催行人数 2名
最大催行人数 6名
~ 天候 ~
大雨時は中止します。小雨が降る可能性がある場合でも、決行する場合もあります。
中止の場合に限り、前夜にメールにて中止連絡を行います。
※ 中止の場合は全額返金となりますが、ご返金には注文金額の3.6%のクレジットカード返金手数料が発生します。予めご了承下さい。
~ 用意するもの ~
□ クライミングハーネス ( レッグループ式ハーネス、ダイアパー式ハーネスのうち、ビレイループがあるものを選択してください。)
□ クライミンングヘルメット ( 登山用、クライミング用で購入から3年以内のものをご用意ください。)
□ ダイレクトビレイに対応したビレイデバイス ( ペツル ルベルソ5 を推奨 )
□ セルフビレイコード ( ダイナミックロープを使用した衝撃吸収できるもの を推奨 )
□ サブゲート式HMS型安全環付きカラビナ × 2 ( ロックテリクス HMSミディスクリューAT など、サブゲートによる反転防止機構が付いたものを使用 )
□ HMS型、またはO型の安全環付きカラビナ ( アッセンダーに使用します )
□ 変形D型安全環付きカラビナ × 4 ( エーデルリッド ピュアスライダー、ペツル エスエムディー など、細めのものを推奨 )
□ アルパインヌンチャク × 4~6 ( ワイヤーゲートカラビナ2個とスリングを組み合わせたクイックドロー。内2本は120cm、残りは60cm スリングを推奨 )
□ アッセンダー ( エーデルリッド スポック、ペツル マイクロトラクション など、セルフジャミングプーリーを推奨 )
□ 沢靴 (初心者の方はフェルトソールを推奨)
□ 純綿100%の軍手 ( ハーネスのギヤラックにクリップできる様、小さなアクセサリーカラビナを取り付けておくことを推奨 )
□ 幕営装備一式( テントやツェルトなどのシェルターまたはハンモックとタープ、寝袋、マット、調理器具など。人数によっては十分な平地を確保出来ない可能性がありますが、このような場合はハンモックが有利です)
□ 登山の基本装備 ( 雨具、防寒着、ヘッドライト、ファーストエイドキットなど、登山に必要な装備一式 )
□ 昼食・飲料 (2日分。1日目夜は焚き火で調理することもできますが、不慣れで不安がある方はお湯だけで食べられるものなどを用意すると安心です )
□ 帰宅時の着替え ( 下着も含め、全ての衣類を用意。送迎車に置いておきます。)
□ 行き帰りの靴 ( 沢靴へは現地で履き替えます。)
~ キャンセルについて ~
このイベントのキャンセルには、キャンセル料が発生致します。
キャンセル料は以下の通りとなります。
開催日の30日前~15日前:利用料金の30%
開催日の14日前〜8日前:利用料金の50%
開催日の7日前〜3日前:利用料金の80%
開催日の2日前〜当日:利用料金の100%
※ ご返金には注文金額の3.6%の返金手数料が発生します。
※ 日程変更にも上記のキャンセル料が発生致します。
※ キャンセル希望の際は、自動返信メールに記載の専用メールアドレスより、指定フォーマットの内容をご記載の上メールをお送り下さい。
~ 補償について ~
Kuri Adventures ではお客様の安全を最優先にしておりますが、山で100%の安全はお約束できません。
イベント中の事故に関する負傷・死亡・物損に関し、全て自己責任となることを予めご了承下さい。
詳しくは " 利用規約 " を御覧下さい。
~ 年齢制限について ~
参加可能な年齢制限は18歳以上、70歳未満とさせて頂きます。万が一の事故の際に責任が取れる年齢であること、体力的に無理のない年齢であることを考慮し、制限させて頂いております。ご理解のほど何卒よろしくお願いします。
~ 保険について ~
実際に深い山の中に入っての実践を行う為、遭難事故発生時には遭難捜索、及び山岳救助が求められる場合があります。
遭難対策費用300万円以上の保険にご加入頂く他、傷害保険、生命保険などへのご加入も推奨致します。
~ ココヘリについて ~
実践山行では、万が一の滑落、行方不明、同行者や他の登山者を怪我させてしまった場合などに備え、ココヘリの加入を推奨しています。ココヘリとは位置発信システムを使用した遭難捜索サービスで、万が一行方不明になってしまった場合にもヘリコプターによる捜索を容易にしてくれます。また他者を死傷させてしまった場合の損害賠償責任補償、山行中に装備品を壊してしまった場合における装備補償なども含まれています。《 未加入の方はこちら!》
~ お支払い方法 ~
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※ 利用規約をお読み頂き、自己責任について十分に理解した上でご参加下さい。
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