沢登り実践山行

 

 

沢登り実践山行では、沢登り入門講習やバリエーション入門講習で学んだことを使って、実践的に沢登りを行います。基礎を学んだら、次はなるべく時間を空けずに繰り返し、実践することで知識が生きた技術として身に付きます。モチベーションが高いうちに実践すれば技術はしっかりと定着します。

 

沢登りに長けた経験者やガイドさんに連れて行ってもらい、ラインどりも安全確保もお任せ、リスクを感じることもなく、沢の景色を堪能して「ああ、やっぱり沢は楽しいなあ」とその場限りの時間を過ごす。そのような山行を望んでいるなら、沢登り実践山行は残念ながら期待に沿えません!

 

では、この実践山行はどんな期待に沿えるのか。それはあなたの学びと成長です。

 

安全上、戦略面や技術面の最終的な判断はインストラクターが行います。しかし、インストラクターの基本姿勢は、見守り。参加者が自己判断を通して、たくさんの気づきを得られるように関わります。判断とは、言い換えるなら、「怖い」とか「不安」、「ドキドキしてる」などの心の揺れに気づき、しっかり自分で対処するということです。

 

心の揺れに気づけると、自分でできること、できないことがはっきりします。遡行するために足りないものは何かが分かるようになります。それが実践山行の最も大きな目的であり価値です。気づきが深いほど、この実践山行はあなたにとって価値の高いものになります。そして、心の揺れが大きいほど、それを克服した後には、心震える感動がきっと訪れます。山がちな日本の地形だからこそ生まれた数々の美しい沢。その沢の中に自分の力で立った時、あなたは何を感じるでしょうか。

 

 実践山行は少人数での先着順になるため、沢登り入門講習受講に合わせて、なるべく早くお申し込みください。

 

  ※ 沢登り実践山行へのご参加は、各企画ごとに条件があります。詳しくは各企画ページの参加条件をご確認ください。

 


西丹沢 モロクボ沢

 

モロクボ沢は困難な箇所も少なく、沢グレードでいえば1級(初級)で入門向け。ししかし、30mのモロクボ大滝の水量と切り立った形状は迫力満点で満足感の高い沢です。連れて行ってもらうだけなら、もっとグレードの高い沢に行けるでしょう。しかし、人任せで難しいルートに行くよりも、自己判断を伴う初級ルートに取り組んだ方が、質の高い経験が確実に積めます。たとえ途中敗退することになったとしても、質の高い山行を積み重ねた方が、結果的にずっと早く高みに到達できます!



西丹沢 マスキ嵐沢

 

小さなホールドに乗り込むことの求められる登攀がメインの沢です!足使いが重要な沢登りのコツを実践的に学ぶことができます。マスキ嵐沢は西丹沢の中でもとりわけ風光明媚で、沢の楽しさがコンパクトに詰まった一本として高い人気があります。ナメ滝や小滝が連続するものの、よくラインを選べばほとんどが直登可能です。ルートグレードは1級(初級)ですが、登攀的な要素もあり、リスク対応の判断を強いられるポイントが随所にあり、実践経験として遡行価値の高い沢です。



西丹沢 小川谷

遡行した誰もが口を揃えて言う。「小川谷は良かった!」

ルートグレードは初級ですが、水流沿いに遡行してもほとんどの滝が直登できます。釜の巻きやゴルジュでは微妙なへつりを強いられ、それもアクセントとなって、次々迫り来る難関を持てるテクニックを駆使して突破していくゲーム的快感が味わえます。その上、透明に輝く水、白い岩、緑色に光る苔が織りなす渓相はなんとも美しい。丹沢の沢の魅力が凝縮されているような一本です。



奥多摩 水根沢

 

水根沢は奥多摩湖のすぐ近くにある泳ぎ系の沢です。天然のウォータースライダーもあるので、思いっきり水と戯れられます。「楽しさ」は紛れもなく奥多No.1

微妙なへつりや、ゴルジュの突破、攻めどころに悩む滝など、遡行者を刺激せずにはおかない突破ポイントが次々に現れます。「本ちゃん」要素も強く、実践経験として非常に遡行価値の高い沢です。どこにラインを見出し、どう突破するかは、まさに遡行者の感性次第。あなたならどうする?