最強のダウンジャケット" THE NORTH FACE  ヒマラヤンパーカ "

 

 

冬季登山で最も恐ろしいリスクに低体温症があります。万が一を考えた時、冬の防寒着はまさに生命線とも言うべき最重要装備の一つであると言えます。

本来登山における装備は少しでも軽くするべきですが、個人的に冬の防寒着はオーバースペックで構わないと考えています。
防寒着は停滞時に使用するものであって、行動時はまず着用しません。だからこそ、絶対の保温力は正義です。

THE NORTH FACE のヒマラヤンパーカは、まさに最強のダウンジャケット!
厳冬期の登山を支える頼もしい相棒です。


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ノースフェイス  ヒマラヤンパーカ

~ 最強のダウンジャケット ~

 

冬季登山は夏山に比べて大きなリスクがあります。滑落、ホワイトアウト、雪崩など、そこに訪れる人の命を簡単に奪います。

そしてこれらのリスクとも常に絡む、冬の登山の最大のリスク。それは低体温症です。

 

深部体温が低下する事で生命維持に関わる生理現象に支障をきたします。

そのまま放置すれば、比較的短時間で命を落とすことになります。

最初に掲げた滑落、ホワイトアウト、雪崩などに遭った結果、行動不能になり、そのまま低体温症を起こすケースが多くあります。人は行動する限り発熱しますが、停滞状況になれば瞬く間に体温が奪われ、低体温症に陥ります。

登山では軽量化が原則ですが、こと冬の防寒着に関してはオーバースペックでかまわないと個人的には考えています。

そもそも防寒着を行動中に着ることはまずありません。

ビレイ中であったり、昼食時であったり、テントの中であったり、基本的に停滞時に着用するものです。

オーバースペックだからと言って、冬山の停滞時に着て暑すぎると言うことは殆どありません。

 

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今シーズンより新たに装備に導入したのが、THE NORTH FACEのヒマラヤンパーカ。

8,000m峰における行動着として開発されたジャケットで、−40℃の環境下で行動するのに適した保温力を備えています。

あの三浦雄一郎大先輩がエベレスト登頂の際に着ていたジャケットでもあります。

 

日本では完全にオーバースペックな気もしますが、−40℃はあくまでも行動着として着用した場合。
一般的な厚さのダウンジャケットだって、日本の冬山では着て歩くことは殆どありません。

停滞時に着用することを考えれば、使用状況によってはまったくもってオーバースペックとは言い難い。

正直、このくらいが適正な場面もけっこうあります。

 


例えばアイスクライミングやアルパインクライミングにおけるビレイ時。動かない時間がどうしても長くなります。

また僕達職業登山者にとっては、厳冬期のシビアな状況でなくても、長時間のビレイを余儀なくされる場合が多々あります。

この様な場面では、圧倒的保温力を持つジャケットがあると、とても快適に過ごせます。(それでも寒い時もある)

それは結果として体力を温存することになり、安全な登山に繋がります。

 

絶対的な保温力を持つ防寒着を携行するということは、就寝時の寝袋をもっと軽いものにすることもできます。

確かに一般的なダウンジャケットの3倍近い重量と倍近い収納性はネックですが、テント泊の時に関しては結果としてあまり差がない状態となります。むしろ起きている時間の快適さたるや、一度使うとやめられなくなりますw

 


 

 

フロントはダブルファスナー仕様となっており、ファスナーが当たる部分はナイロンテープで補強されています。

この為、ファスナーの動きが実にスムーズ!まったく噛みません。
厳寒での仕様において、ファスナーの動きがスムーズなのはとても大切なことです。

またファスナーが位置を変えて2重に付けられており、ダウンチューブもそれぞれに設けられています。この構造により、寒気の対流を徹底的に防いでいます。

 

 

胸のポケットの中には、もう一個ファスナーが付いています。このファスナーは、ジャケットの内側へと繋がっています。

ジャケットのフロントファスナーを開けなくても内部にアクセスできるので、ジャケットの内側にあるメッシュポケットや中間着の胸ポケットに直接ものを出し入れすることができます。

 

 

左胸ポケットには小さな穴が空いています。ここは無線機のアンテナを通すものだと思われます。

胸ポケットに入れておくことで、バッテリーの電圧低下も防げそうですね!

 

表面素材にはゴアウインドストッパーが採用されており、高い防風性と透湿性が両立されています。
ゴアウインドストッパーに高い防水性はありませんが、極めて高い撥水性があります。冬ならこれで十分!
さらに表面生地への縫い目を極力減らし、溶着にて仕上げられています。

針穴からの空気の対流を防ぐことで、コールドスポットがほとんどできないような工夫がなされています。

 

首周りにダウンチューブが設けられ、寒気が首元から入り込まないようになっています。もはや寝袋のようですw

人間は体温の30%以上を頭から放熱していますが、このジャケットはフードにもたっぷりダウンが封入されています。

間違えなく、3シーズン用の寝袋より保温力が高いと思います!

 

 

内面素材にも強力な撥水処理がされているようです。
高所登山では行動着として着用するジャケットですが、それ以外の使用では原則的に停滞時しか使用しないと考えられます。

ハードシェルの上にそのまま羽織る事を考えての撥水処理だと思います。これはありがたいですね!
胸の内側にはメッシュのストレッチ素材のポケットが両側に設けられています。このポケットには、反対側の胸の外ポケットからアクセスできます。曇ったゴーグルや湿ったインナーグローブを乾かすのに良さそうですね。

 

 

これまでは化繊に強い拘りを持っていました。
過去にダウンジャケットに水分を含み、完全にぺしゃんこになってしまった経験が2度あります。

水没させるなどの致命的なミスをした訳でなく、長時間着用後にバックパックに入れておいたらそうなっていました。
これは着用時の汗などが一番外側の生地の内側で結露していて、それがテントや山小屋の中で溶け出した事が原因だと考えられます。些細なミスですが、事態は深刻です。

それ以来、防寒着は化繊の中綿がベストであると考えていました。

しかし近年では、防水性・撥水性の高い表面生地を使ったり、ダウンそのものに撥水処理をすることでこの問題が解決されてきました。ヒマラヤンパーカもその一つで、ゴアウインドストッパーを表面に使い、撥水処理されたダウンが使用されています。

さらに前身胴体部分に至っては、内側が化繊中綿とポリエステルの組み合わせになっています。
これによりダウンのロフトが落ちてしまうリスクを大幅に軽減しています。

 

全ての登山者におすすめとは言い難い商品ではありますが、より安全に、より高難度な登山を目指す方には良い相棒になるかも知れません。最強のダウンジャケットを持つということは、確かな安心があります。

 

今シーズンから、僕はヒマラヤンパーカを持って雪山に出かけようと思います^^

 

 

 

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