ハンモックの穴開き対策

先日 YouTube の動画撮影中に起きたハプニングで、ハンモックが引き裂かれて落ちる事件が起きました…。
専門店さんに相談してみたところ、どうやら小枝や石などを知らぬ間に乗せてしまい、そこに体重をかけてしまうことで小さなをきっかけに引き裂かれることがあるとのこと。エアーマットのパンクなどと同じで、滅多に起こらないが可能性を捨てきれないらしい。
暖かい季節ならいざしらず、寒い時期にこのトラブルを起こすと時に命に関わることもあるかも知れない。そうでなくても確実に辛く、虚しく、切ない思いをするのは間違えない。

エアーマットと違ってハンモックの場合、本当に軽いものでは 150g 前後の商品も数多く存在する。ぶっちゃけ2個持ったって大した重量ではないし、エアーマット1つ分の価格で2つ買えてしまうくらいリーズナブルなものでもある。

でもさ、全く使わない道具なのに、予備のためにもう一個持ち歩くのってなんか癪じゃない?
いや確かにヘッドライトなんかは万が一に備えて予備を持っていってるけど、幕営具の場合は何故かこれを許したくない…。
そこでちといろいろ実験してみました!

 

まずね、最初にやってみたのがタープポンチョをハンモックにしてみる作戦。
ハンモック泊をやるところって基本的には森林限界以下の山域なわけで、その範囲においてはポンチョを雨具として使用しても良いと個人的には思ってる。換気性が高いから案外蒸れないし、熱くない。バックパックも濡れないし、けっこう優秀なのですよ。

で、実際に乗ってみた!

これをハンモックとして使えれば大幅に軽量化!

素晴らしい!乗れたっ!!  しかし、このあと悲劇が…。


おぉっ!?乗れたっ!!けっこうイケんじゃん!!?
ビリッ…ドスン………。

いやダメじゃん(;´Д`)

はい、ちーん。
さよなら諭吉パイセン。1万円終了ー。

再起不能なまでに終了ー。

15D の薄い生地に、頭を通す穴まで開いてるわけですよ。そりゃー無理ですよね ^^;
これができれば雨具の差し替えで、結果として重量増無しでバックアップを作れるんじゃないかとも思ったのですが、甘かった。
しかしこれで諦めませんよ!

 

次に考えたのが、グランドシートをバックアップのハンモックとして活用する方法。
タープポンチョですでに設営方法を研究済みなので、シートでハンモックを作るのはもはや余裕だぜ!!
ここで使用したのはアライテントのアンダーシート2。40D とハンモック生地としてもウルトラライト系のハンモックとキャンプ系のハンモックの中間くらいな位置づけ。重量も 198g(実測) と許容範囲だ。

接続は60cmスリングをシートベンドにしてみました。これなら解くのも簡単♪

ちょっと小さめですが、バッチリハンモックとして機能します!


結論としてはまったく問題なし!!

タープポンチョの時にあった " ビヨーン " って伸びる不安感もなく、ビシッとしっかりした強度を感じられます。サイズこそ 140cm × 210cm と小さく、実際に乗ってみると足が少々はみ出ますが、バックアップとしては問題ないかと。

 

確かに装備重量増にはなるけど、みんなできればグランドシートは持っていきたいよなって思いません?
タープ張って、ハンモック設置してってやってる間、荷物置いとく場所って欲しいじゃないですか。でも登山に無駄な装備は可能な限り減り減らしたい中で、グランドシートはリストラ対象にされやすい存在。
でもハンモック破損時のバックアップとしても持っていけるならアリな気がしません??

他にも、大雨の日ってアンダーキルトが地面からの跳ね返りで汚れるのが気になるし、風が強い日はアンダーキルトをしててもちょっと寒かったりします。これをグランドシートハンモックで覆ってあげることで問題解決!
さらにハンモックの横に少し感覚を開けて設営すれば、荷物置き場を真隣に作ることも可能です。
ね!これ、超ナイスアイデアじゃね??

ハンモックはその性質上、破れて落ちるトラブルを完全に回避することはできません。いつでもその可能性は考えておかなくてはならないのです。そのひとつの対策案として、グランドシートを予備のハンモックとしても使う方法についてお伝えさせて頂きました。

尚この実験の際、手持ちの薄いグランドシートでも試してみましたが、やはりかなり不安な感じ。重量と強度の問題をいろいろ考えて、このグランドシートに辿り着きました。けっこう良さそうです!
あと手持ちのグランドシートに小さな穴が空いていたことも気になりました。この様な小さな穴をきっかけに、引き裂きトラブルは発生します。グランドシートという性質上、どうしても傷つきやすい存在。ハンモックが破けた時のバックアップとして用意していたグランドシートハンモックまで破けた日にゃ…。もはや目も当てられない…。
しっかりと定期チェックはしておきましょう^^;

この情報が、皆様のお役に立てれば幸いです♪
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Kuri Adventures では登山教室を通じて様々な登山技術を指導しています。ロープを使った確保技術などを中心に、主に安全登山に関わる技術をお伝えしています。もっと安全に登山を楽しみたい方、より幅広い登山を楽しみたい方にこそ、是非学習機会を設けて頂ければと考えております。皆様のご参加も心よりお待ちしております!


栗山 祐哉

Kuri Adventures 登山教室の企画全体を受け持つ代表主任講師。

登山歴25年。誰も通らないようなルートを地形図から探し出し、泥と苔の藪岩登攀を好む土臭いアルパインクライマー。

生粋の山道具オタクで、より快適で合理的な登山装備の在り方を日々探求し続けている。そう、インストラクターとしての業務の一環であり、これは断じて無駄遣いではない!!

ロープによる安全確保技術を専門とし、確保技術を多くの登山者に伝えていくことで、遭難死因第一位である転滑落を限りなく " 0 " に近づけることができると信じ、日々活動中。