登山におけるカメラの選択ってなかなかに悩ましいものがあります。写真を撮ることがメインの登山ならフルサイズセンサーの一眼レフを持つのが理想でしょうが、最低でも
1.5kg もの重量物を写真軸でない登山で持つのは現実的ではありません。
多くの方にとって、登山中の写真は思い出の一枚であり、スマートフォンだけで済ましている方も多いのでは無いかなとも思います。しかしやっぱりスマートフォンの写真では限界があり、ちょっと明暗差が大きいと白飛びや黒つぶれがはっきりと出るし、少し暗くなると荒れた画質になっちゃいます。センサーサイズが小さすぎるんですね。
個人的には、素早く取り出して素早く撮る(取り出しが楽)、そこそこ被写界深度が広い(ピントミスしにくい)、そこそこダイナミックレンジが広い(白飛びや黒つぶれが少ない)、そこそこ高感度耐性がある(暗くなってISO数値が上がっても画質低下しにくい)、軽量コンパクトであること、防水であること、落としても壊れない耐久性であることなどを登山のカメラに求めます。
けっこう厳しい条件ですw
で、そんな条件をクリアするカメラが出たのですぐに買ったのが、SONY RX-0 です!
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RX-0 は 1Inch もの大きさのセンサーサイズを持つ高性能コンパクトデジタルカメラながら、フィルムケース台のケースに納めるという信じられない軽量コンパクト性。しかもこれで完全防水な上、圧倒的な耐衝撃性も持ち合わせています。
これって本当に凄いことなんです。
もちろん魔法で小さくしているわけではないので、フルサイズ換算28mm画角の単焦点レンズにF4絞り固定と言うストイックなレンズ設計。その代わり、ドイツの名門 ZEISS 社が " このカメラの為だけに専用設計したレンズ " を使うことで、驚異的な高画質を生み出しています。
絞り機構すら無いのだもの。ある意味で光を取り入れる邪魔が全く無い設計なんです。
割り切り設計ながら、実に良いバランスなのも魅力的です。
登山中にどんな写真を撮るかにもよりますが、歩きながら風景を撮ったり、仲間の写真を撮ったりする時って、案外細かい設定をしている時間がなかったりしません?
パッと取り出してすぐに撮って、またすぐに歩き出したいものだと思います。
F4 / 28mm / 1inch
センサーの組み合わせって、かなり深めの被写界深度となり、ピントボケが出にくい利点があります。ボケ味を活かした写真は苦手だけど、登山中の写真はパンフォーカスの方が良いことが多いですからね!
また明るい日中でも明るすぎず、薄暗い森の中でも暗すぎないF4レンズは、絞り機構を持たないレンズで考えられる絶妙な設定です。1inchセンサーを小さな箱の中に入れるために無理した設計ではありますが、その中でもまさしく絶妙なバランス感です。
大きさ感などは下の動画を見て頂くと分かるかなと思うのですが、本当に小さい!
この小さなカメラでこれだけの画質の写真が撮れるのはほんと魅力的だなと思います。
首から下げたまま、気の向くままに撮影可能なカメラです。
実はこのカメラ以外にも、同じく SONY RX-1 ってカメラも使っていて、こちらはフルサイズセンサーに ZEISS
の専用設計固定レンズを搭載した、画質に徹底的にこだわり抜いたコンパクトデジタルカメラも使っているのですが、出番自体は RX-0 の方が圧倒的に多かったりします。
もちろんフルサイズセンサーのカメラと比べると画質の差や表現力の差はやっぱり大きいのだけれども、僕の場合は山に写真を撮りに行っているわけでは無く " 山に登りに行っている " ので、写真の絶対的画質だとか、テント泊時の快適性だとか、美味しいヤマメシだとかではなく、" 登る " に対して快適でありたいと考えます。
そのような選択を考えると、RX-0 は本当に良い相棒。
軽く、コンパクトで、沢の水にも厳冬のブリザードでも問題無く作動するタフネスさ。岩にぶつけても、クライミングギヤとラッキングしたってへっちゃらです!
まさに " クライミングギヤ " のひとつとして見れる、軽量コンパクトでありながら高性能な存在。
だってそんな条件なのに、こんなに良い写真取れるんだもん。言うこと無しだよね ♪
ZEISS の 28mm画角単焦点 × F4 固定とかなり尖った仕様に妥協することで、1インチもの大きさのセンサーをフィルムケース大の本体に収めた、まさしくSONYの技術が結集したモンスターカメラ。ちーっと高いですけど、すごくオススメな1台です^_^