冬の山を更に楽しむために

 

緑が眩しい夏山が過ぎ去り、燃えるような紅葉が美しい秋山が訪れると、山には一気に雪が降り雪山へと姿を変えます。積もった雪は春先まで消えることなく標高2,000m以上の高山における冬山シーズンは11月中旬〜5月上旬までの約半年間です。

 

その半年間の冬山は自由な気配に包まれていると感じます。がれ場や高山植物を雪が覆い隠し、登山道は姿を消します。一面に積もった雪面に自分だけのトレースをつけることは、夏には味わえない自由な歩き方です。

また、氷瀑を登るアイスクライミングも冬山ならではのアクティビティです。静寂の中、毎年姿を変えながら現れる氷瀑を登攀することは非常に冒険的です。

 

アイスクライミングの技術を身につけると冬季アルパインの世界が一気に広がります。今までに行けなかったようなルートや山域が増え、味わうことが出来なかった達成感を味わうことができるでしょう!!

 

しかし、低体温症・雪崩・滑落など冬山には危険要素が多く含まれています。また基本から応用まで学習するべき技術が多いです。冬山には今までの登山を遥かに上回るリスクが伴ってくるのです。

 

「雪山に興味はある」そうは言っても雪山登山人口が少ないことも事実です。始めようとしても周りに教えてくれる人はいない。しかし、一人で始めるにはリスクや不安が大きすぎる。そのような方は最初の第一歩として講習への参加をお勧めします。

 

冬山をより楽しむには当然ながら基礎知識と技術が必要です。二日間にわたる「雪山登山講習」または「アイスクライミング技術講習」にて基礎知識や技術を学びましょう!!新しい技術を取り入れることはもちろん、多くの参加者と一緒に受講することによって新しい出会いも得られます。価値ある濃厚な二日間になります!

 

また技術の定着において最も重要なことは繰り返しの実践練習です。初心者の方から経験者の方まで、多くの方が参加できるように様々な実践山行企画をご用意しました!

 

講習と実践山行を通じて知識と経験を積み、充実した冬山シーズンを過ごしてみませんか?

冬山を楽しむことができると、1年を通して山を楽しむことができますよ!

 

〜雪山登山講習〜


基本となる歩行技術、ピッケルの持ち方、アイゼンやワカンの正しい装着方法、初動停止技術、滑落停止技術、雪洞の掘削技術と実際の雪洞体験、アバランチビーコンによる雪崩埋没者捜索技術などを学習します。また翌日には谷川岳山頂を目指し、実際に雪山登山を実施します。しっかりと学習機会を設け、安全に雪山登山を楽しむための技術を身に着けましょう。

〜雪山登山実践山行〜

 

白銀の世界が美しい雪山は多くの登山者を魅了します。しかし、雪山登山は雪崩や低体温症など多くのリスクを含んでいるのも事実です。誰しも始めるときは不安があるので初めは経験豊富な方と登ることをお勧めします。そして雪山登山において重要なことは繰り返しの実践経験です。その時の自分のレベルに合わせた雪山を登ることによって、感覚や技術を身につけることができます。 雪山登山をすることによって、また新しい山の楽しさを味わえるでしょう!


入笠山

南アルプス前衛の山の一つである入笠山は、雪山初心者が雪山登山の魅力を知るにはうってつけの山です。ゴンドラを利用すれば、一気に標高1780mまで上がることができ、一面の銀世界を手軽に満喫することができます。山頂からはほぼ360度の大展望が広がり、南アルプス・中央アルプス・遠く北アルプスなども望むことができます。果てなき絶景は、あなたをさらなる雪山の旅に誘うことでしょう。

北横岳

北八ヶ岳の中心に位置する北横岳は、雪山の魅力と厳しさ、どちらも知ることのできる山です。

ロープウェイを利用すれば、一気にコメツガやシラビソの美しい樹氷の広がる世界に行くことができます。しかし、そこは本物の雪山の世界。気温や風の冷たさは下界とは全く別物!

しっかりとした基礎知識をもって山頂を目指しましょう。その先に新たな世界が待っています。

天狗岳

入笠山や北横岳での雪山登山を経験したら、次のステップは天狗岳テント泊への挑戦です。天狗岳のピークに至る過程は、冬季登山靴の安定感、アイゼンが雪面に効く感覚、ピッケルの安心感などを実践的に教えてくれます。森林限界を超えた範囲が多いため、強い西風と、時には吹雪の中で登下降することになります。しかし、遮るものがないからこそ、天候に恵まれれば大展望を堪能することができます!

上州武尊山

この企画では武尊山の主峰である沖武尊に向けて、剣ヶ峰山を辿るルートを進みます。

途中まではリフトで上がることができますが、その先は自分の力で歩いていく必要があります。コースタイム約3時間半、剥き出しの稜線を進みます。武尊山は豪雪地帯に属するため、ワカンやスノーシューを用いたラッセルを強いられる可能性もあります!

雪深い地域での登山経験は、あなたをさらなる高みに導きます!



谷川岳 西黒尾根

この企画では日本三大急登の一つとされる谷川岳の西黒尾根を経て谷川岳山頂を目指します。

冬季西黒尾根を行く登山者の数はそこまで多くないため、ワカンやスノーシューを用いたラッセルを強いられる可能性もあります!

一筋縄ではいかない西黒尾根での経験を経て、雪山登山への自信を高めましょう。

西穂独標

西穂高独標は北アルプス雪山登山の入門です。樹氷が広がる白銀の世界や、山頂からの壮大な景色など雪山のさまざまな世界を体験することができます。西穂山荘にて雪中泊をおこなうので、冬のテント泊経験を積むこともできます。二日目の独標アタック日に晴天に恵まれたら、青空のもと壮大な景色を見渡すことができます。

赤岳

冬の赤岳は雪山登山の基本の総仕上げにぴったりの山です!

雪山登山の回数を重ねて身につけたアイゼンワーク。持っているだけだったピッケル。

それらを駆使して登る雪の急登。今までに練習・経験した技術を活かさないと登頂できません。急登でのスリップは絶対に許されず、緊張の場面も多数あると思います。

赤岳主稜

八ヶ岳最高峰の赤岳。赤岳主稜は八ヶ岳の冬季バリエーションの人気ルートの一つです。一般登山道を途中から離れ、西側の壁に沿って登るルートである「赤岳西壁主稜」のことを指します。目の前に迫る迫力のある岩壁や、雪面と岩稜のミックスクライミング、そして山頂からの圧巻の景色。この上ない達成感を味わうことができます!!


~アイスクライミング技術講習〜


はじめてのアイスクライミング講習

アックスの打ち込み、アイゼンの蹴り込み、基本となるムーヴ、アイススクリューのセット方法、アックステンションのやり方など、アイスのイロハを学ぶことのできる総合学習カリキュラムです。

ただなんとなく登るのではなく、コツやテクニックをきちんと学んだ上で登ることによって、大幅にスキルアップし、安全性も高めることができます!

 

対象: トップロープビレイが確実に行える方

アイスクライミングリード講習

アイススクリューの打ち方、アックステンションの掛け方。Vスレッドによる懸垂支点構築の方法、ルートアイスにおけるピッチの在り方などを学習します。また、40mを超える大滝登攀の実践も実施します!

大変幅広く学習できるカリキュラムです。

アイスクライミングの技術をしっかりと身につけることで、冬季登山の自由度を格段に高め、挑戦の幅を広げましょう!

 

対象:リードクライミングを十分に理解していること。


〜アイスクライミング実践山行〜


今までに学習したアイスクライミングの知識は、やはり実践経験を積んで技術として身につけないと非常にもったいないです!

しかし、まだ経験が浅い段階で自分達でアイスクライミングに行くことは少しリスクがあり、難しいですよね。技術が定着するまでは経験者の方と共に登攀することをお勧めします。あくまでも主体となるのは参加者の皆さんですが、自分達では気がつかないような過ちや、登攀のコツ、ポイントなど発見した時はインストラクターが指導します。

経験者の方と一緒に山に入ると、アイスクライミングの技術や知識の引き出しが増えるので非常に良い経験になるでしょう!

 


醤油樽の滝 大滝アイス

スポーツとしても、冬季登攀の手段としても、アイスクライミングの技術の定着は繰り返しの練習が必要になってきます。 約35mの大滝である醤油樽の滝にて、経験を積みましょう!迫力のある氷壁を登るということはとても勇気がいるもの。ぜひインストラクターの指導のもとステップアップしてみませんか?



四十八滝沢ルートアイス

三つ峠の四十八滝沢は夏は沢登りの初級コースとしても有名ですが、 冬季は凍結しアイスクライミングのコースとしても楽しめます。!基本ナメが多い沢ですが、バーチカルもあり20mの大滝と連続する小滝は、まさに多種多様の滝を満喫できます。登攀技術を身につけ、更に山の世界を広げましょう!

裏同心ルンゼルートアイス

アイスクライミングのメッカである冬の八ヶ岳。その中でも人気のルートが裏同心ルンゼです。滝はF1〜F6まであり、滝の連続登攀を行い稜線へと抜けるルートアイスです。冬シーズンは氷と自分の真っ向勝負です!アイスクライミングに必要な基本技術から応用までを、実践山行を通して学習しましょう!



企画スケジュール