コンティニュアスビレイシステム " 岩稜タイトローピング "

 

 

痩せ細った岩稜歩き。ダイナミックな景観とスリリングな冒険を楽しめるは、まさに登山の醍醐味の一つと言えるかも知れません。登山者だけが味わえる、特別な世界です。

しかし当然、危険が多いのも事実。うっかりつまずいたりすれば、そのまま谷底まで墜落しても何ら不思議ではありません…。

そんな事態に陥らないよう、危険な岩稜では正しくロープを運用することが大切です。
安全確保を行い、万が一の墜落事故を防ぎましょう!!


遥か天空に続く一本の岩の道。
その狭く険しい岩稜を行く時こそ、登山者としての悦びに触れられるような気がします。
山に登らなければ絶対に体感することのない " 非日常 " 。

緊張と興奮、そして圧倒的な大パノラマの感動。岩稜登山には山登りの楽しみの究極系の一つであると思います。


しかし、当然多くの危険を併せ持っているのも事実です。

狭い岩稜で万が一つまずいたりすれば、痩せ細った岩場から体が投げ出され、数百メートル下に叩きつけられる可能性もあります。

大墜落だけは、絶対に避けなくてはなりません!!


岩稜を通過する時、正しくロープを運用することでこのリスクを大幅に下げることが出来ます。
安全の為に、是非覚えましょう。


 

岩稜を通過するときは、ロープ間隔を長めにとったタイトローピングが有効です。
タイトローピングとは、コンティニュアスビレイシステムの一つで、お互いを繋いだロープを張り気味にして歩く方法を言います。
お互いの距離を7.5m〜15m程度離し(距離は状況に応じて変化する)、ロープがなるべく岩の間を通るようにしながら歩きます。
リッジの頂点ではなく、その側面をトラバースする場合などでは、中間支点を設けます。万が一落ちたりしても、必ずロープが障害物や中間支点に引っかかる状態にしながら歩きましょう。


ロープの中間部にいる人は、中間支点についたらカラビナをロープから外し、後続の人側のロープに再クリップさせて通過します。

最後尾の人は、中間支点を回収しながら歩きましょう。



墜落した人がオーバーハングしたところに落ちて空中にぶら下がってしまった場合、登り返してもらうか、又はレイジングシステムによる引き上げを行わなくてはなりません。作業を行うためのロープを必ず残しておく必要があります。

仮に2名でロープを繋ぎ合っていて、ロープの間隔を15mにしていたとします。50mロープを使用していた場合、35mのロープが余る事になりますので、一人あたり17.5mのロープを残しておくことが出来ます。
万が一一人が墜落しても、懸垂で様子を見に行くことができる長さとなりますので、緊急時の対応もよりやりやすくなります。

この辺りの事も考慮して、ロープの間隔の長さを決めると良いでしょう。(ロープの間隔が広くなればなるほど引き込まれてしまうリスクが減りますが、墜落距離は長くなります。)


 



複数人で繋ぎ合っている場合は、ロープの残りを減らしても大丈夫です。

カウンターウェイトで止めた残りのメンバーのロープを解き、レスキューに使用できます。

メンバーの間隔を保つことの方が重要なので、残すロープにこだわりすぎてメンバー間が近くなり過ぎないように注意しましょう。


ロープの間隔を測るには、腕の長さを利用しましょう。ロープを握って、両手いっぱいに伸ばした長さ(1尋:ひろ)が、大凡150cmになります。
例えば10尋分手繰れば15mになります。この方法で長さを測り、お互いのロープの間隔をとります。



正しい知識を持ってロープを運用することで、登山の安全性は飛躍的に高くなります。

しかし一方で、ロープの運用によるリスクを考える必要もあります。
コンティニュアスビレイシステムには、常に墜落者に引き込まれて自分自身も墜落してしまうリスクもあることを忘れてはいけません。

基本的には墜落する可能性が低い場合に、万が一に備えて行う技術です。墜落の危険性がある場合には、すぐにスタカットビレイシステムに切り替える必要があります。
タイトローピングの運用には、必ず中間支点となる岩や木が間にいくつか入っている事や、もし無い場合には必ず中間支点を構築することが重要です。それがなければ、ロープを使わない状態より危険が増していると考えましょう。

専門書を読んでしっかり理解するとともに、しっかりとした指導者のもとで学習した上で実際の運用を行いましょう。
確実に身に付ければ、登山の安全性は必ず上がります。
安全をしっかりと確保した上で、存分に非日常を愉しみましょう^^




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