パタゴニア " ハイブリッド・スリーピング・バッグ "

 

 

パタゴニアが2016年に発表した新しいレイヤリングコンセプト " ハイアルパインキット "。着ているもの全体をシステムとして捉え、組み合わせることで最大限の機能を発揮するコンセプトとなっています。
その中で、寝具に位置するのがハイブリッド・スリーピング・バッグです。
半シュラフに上半分だけシュラフカバーを取り付けたような商品で、厚手のビレイパーカーなどと併用することで必要最低限の保温性を保ちつつ、最大限の軽量化を望める優れた道具だと感じます。

緊急のビバーク用に携行するのに、ギリギリ許容できるサイズと重量でもあります。


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ハイブリッド・スリーピング・バッグ

~ パタゴニア・ハイ・アルパイン・キット ~

 

登山装備の中でも、特に大きく思い存在である寝袋。当たり前の話しですが、行動中にはまったく使うことがない存在です。

それでも快適な睡眠は連続した登山を継続する上で欠かすことの出来ない、とても大切な回復の時間です。

そんな回復の時間を支える重要な装備がビバークギヤであり、登山の成功の鍵を握る重要な道具です。

 

また登山における恐ろしいトラブルの一つに低体温症があります。

短い時間で傷病者の命を奪う低体温症に対しては、素早い加温と確かな保温が求められます。これまでもツェルトやビバークマット、プラティパス、ジェットボイル、予備の水などを用意しておりましたが、保温に関してはやや脆弱でした。
それでも日帰りの登山に寝袋まで持参する事が、重量的、容量的な問題からなかなかできずにおりました。

 

2016年にパタゴニアが掲げた新しいレイヤリングコンセプトに、ハイ・アルパイン・キットがあります。

これは着用する衣類各々が最高の製品でありながら、組み合わせて使うことによって最大のパフォーマンスを発揮する組み合わせを提案しています。その中に、寝具としてハイブリッド・スリーピング・バッグがあります。

これまでの常識を覆すアイデアで、大幅な軽量化、小型化に成功した優れた寝袋が販売されました!

 

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ハイブリッド・スリーピング・バッグは、ビレイパーカーなどと組み合わせて使うことを前提に開発されています。
長時間のビレイを伴うアルパインクライミングでは、保温力の高い防寒着を用意していきます。
行動中はまったく使用できないほどの保温力で、基本的に停滞時間しか着用することはありません。
止まると動くがはっきりとした登山では使いやすい選択です。

 

ハイブリッド・スリーピング・バッグは、下半身のみの半シュラフに、上半身部分をシュラフカバーの様な状態にした商品。

ビレイパーカーを始めとし、持っている衣類の全てを組み合わせることで睡眠に必要な最低限の保温力を維持しつつ、最大限の軽量化を行うことができるシステムです。

実に良く考えられた道具だと思います。

 


パタゴニアのハイ・アルパイン・キットの防寒着にあたるグレードⅦ・ダウン・パーカと組み合わせた場合、最大で−12℃まで対応しているとのこと。

着替えとして持っているアンダーウェアを重ね着し、中間着やアウターシェルを全て着込み、バラクラバやニットキャップを装備し、冬季用手袋を装着する。持っている衣類を全て総動員すれば、実際にギリギリ−12℃まで対応できそうな程度のボリューム感です。(モンベルの#2くらい?)
個人的に使っている防寒着はBlack Diamondのビレイパーカーであり、グレードⅦ・ダウン・パーカより少し保温力は下がりそうですが、それでも−10℃くらいまではなんとか耐えられるでしょう。

快適な睡眠が得られる使用温度は0℃といったところでしょうか?

 

これは無雪期であればツェルトなどのシェルターを、積雪期であれば雪洞を使った状態で眠れるギリギリの設定。

極限まで削ぎ落とした、攻めたコンセプトであることが見えます。

 

アルパインクライミングにおける軽量化としてももちろんですが、収納サイズは大凡ジェットボイルくらいの大きさで、重量も実測で541gと、万が一のビバークに備えた緊急用装備として携行するのにもなんとか許容できるサイズと重量です。

ツェルトやバーナーなども大変軽量化された現代の山道具は、もはや幕営に必要なギリギリ最低限の道具をいつも持ち歩けるほどに進化しています。

 

ビバークとは、予め想定されたものと、予期せぬ急なものとがあります。究極のビバークギヤとは、その両方を満足させるもので無くてはなりません。

予め想定されたビバークでなんとか快適に眠れるスペックを持ちながら、予期せぬビバークに備えていつも持ち歩ける。

その両方を兼ね備えた、絶妙なバランスに仕上がっています。

 

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また温かいシーズンにおいても、薄手の防寒着と組み合わせる事でかなり幅広く使用できると思われます。

どのシーズンでも、それぞれの時期に併せた最適な衣類を全て着込む事によって快適な睡眠が得られると思います。

もちろん真夏の最盛期の利用には暑いかもしれませんが、そもそもその様な条件では防寒着一枚で事足りる事も多いでしょう。

ダウンが腰から下しか入ってないくせに普通のダウンシュラフと同じくらいの値段がしちゃうのはさすがのパタゴニアですが、幅広いシーズンで使うことを想定すれば決して高い買い物では無いでしょう。(それでも4諭吉円はちと痛いが…(;´Д`))

何よりも、何時でも快適に眠れる環境を持ち歩くことができると言うのは、この上ない絶大な安心感となります。
ハイブリッド・スリーピング・バッグ、一考の価値がある道具かもしれませんよ♪

 

 

 

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