テント新調しちゃった! " モンベル ステラリッジ1 "

 

 

国産山岳テントで最も人気が高い、アライエアライズに次いで使用者数が多いスタンダードなダブルウォールテントです。

重量・耐候性・設営の手間・快適性・居住性などのバランスが素晴らしく、日本の山で使うのであれば最も使いやすい部類のテントです。

17年ぶりに新調したテントは、驚くほどの進化を遂げていました!

これからテントを購入する方の参考にして頂ければ幸いです♪


僕の場合、プライベートの登山ではクライミングを伴うものが多く、軽量化と荷物のコンパクト化の為に山での幕営のほとんどがツェルトでした。しかし一般登山においてはそこまで軽量化に拘る必要性もなく、また稜線上などの厳しい環境下で設営しなくてはならないことの方が多かったりします。
これまでの麓での前夜泊では、今から17年前に購入したアライテントのゴアライズを今も使っていますが、なんせ重量2kg越え^^;
トレッキング用に新たにテントを購入することにしました。

 

いろいろ悩みましたが、これまでの経験を総動員してあらゆるシーンを想定してみると、結局のところ国産山岳テントが日本の山の気象環境ではなんだかんだもっとも無難であると判断しました。

 

・雨天時の調理には前室が欲しい。

・数日間の縦走途中に大雨に降られても、翌日以降の快適性を保ちたい。

・厳冬期は、テント内で調理したい。テント本体とフライシートの間に蒸気を逃し、排出できる構造であってほしい。

・木などが生えていない、森林限界超えの稜線上でも快適な空間を保ちたい。

・できる限り結露を減らしたい。

 

・これらの条件をクリアした上で、なるべく軽いものが良い。

 

そう考えると、アライテントのエアライズ、プロモンテのVL、ヘリテイジのエスパース、モンベルのステラリッジなど、メジャーどころのテントがやっぱり無難であるとの答えに辿り着きます。

日本の山で使う事を考えればですが、実にバランスが取れています。国産メーカーが何故この形に拘るのかが良く分かります。

一般的なトレッキングではダブルウォールテント。バックパックを背負ったままクライミングを行う、沢登りや岩稜バリエーション、ビバークを伴うマルチピッチなどではツェルト。

先人達が築き上げてきたノウハウが現在の基本となり根付いているのには、やはり経験によって積み上げられた意味があるのだと感じています。

 

いろいろな国産メーカーの山岳テントの中から、ステラリッジ1を購入したのは、まず感動するのはその軽さ!

所有しているテントが17年前に購入したものであることもあり、技術進歩による軽量化が如何にすごいかが良く分かります。

なんせ2倍近くの重量差^^;

天井高が他のテントより5㎝高いことも決め手の一つです。

それ以外にも、実に多くのアイデアが施されています!

 


例えば前室のペグループ。
ここがゴムひもになっていることで前室の開放・設置の切り替えが簡単に行なえ、ゴムで引っ張られることで前室は常に一定のテンションを保ち続けることも出来ます。
綺麗な形のテント形状を維持すると共に、雨天時の耐水性能を維持しやすくもなります。
また地面とフライシートのクリアランスを保つことで、換気性能にも貢献していると考えられます。



前室の両側を捲し上げて止めておくためのトグルがついています。

就寝時以外は全開放して置けることで、シングルウォール並みの出入りのしやすさになります。
このアイデア一つで、ダブルウォールテントの欠点を一つ解消できます。

入口のメッシュは半分のみ。

これで必要十分ですし、使用するメッシュ生地やファスナーが少なく済むので軽量化にも貢献しています。



前室はダブルファスナーになっており、上からも開くことが出来ます。
この利点は大きく、雨天時に快適性が保ちやすくなります。

例えば調理をする時、ここを開放して調理を行うことで蒸気の多くをテント外に逃がすことが出来ます。
よほどの大雨でもない限り、ここから侵入してくる雨水はそれほど多くはないでしょう。

テント内に入り込む蒸気の量を減らすことで、ただでさえ結露しやすい雨天時に少しでも結露量を減らす素晴らしいアイデアだと思います。

また雨天時の出入りも、上から大きく開いて割れ目から出てくるようにすれば、雨の吹込みも最低限に抑えられます。

外の状態を確認したい時にも、わざわざ前室をすべて開ける必要はありません。

たったこれだけの事ですが、大変素晴らしい貢献をしてくれるアイデアです!



国産山岳テント特有の換気口形状である、煙突型の換気口。
シチュエーションによって換気の流れを変えられる便利な構造ではありますが、降雪や強風で潰れ、機能しなくなりやすいという欠点もあります。
フレームが入ることで煙突形状を保ち、雪や風で換気口が潰れること無く、常に高い換気特性を保つことが出来ます。



フライシートとテントの接続方法にも注目です。
ナイロンは水分を吸うと伸びる傾向にあります。結露や雨でフライシートに水分が帯びると、フライシートに弛みが生まれます。そうなると、本来の撥水性・耐水性は保てません。
フライシートとテントをゴムひもで繋ぐ接続方法のおかげで、フライシートには常にテンションが張られた状態を保つことが出来ます!



テントポールにも素晴らしいアイデアが施されています!

端っこのグレーの部分に、滑り止め加工が施されています。

冬にテント設営をした経験がある方などは分かると思いますが、手袋をしたままだとテントのポールはとても滑りやすい。

強く引っ張ってテントポールをはめなければならないのに、全然ひっぱれません…。

滑り止めが付いたことで、設営はとても楽になるでしょう。



これは性能とまったく関係ありませんが、僕は夜に輝くテントが好きです!
昼間みるステラリッジの黄色はあまり好きではないのですが、夜に見る月明かりの様な色味はたまらなく好みです♪
星空を眺めながらコーヒーを飲み、ふと我が家を見た時の輝き、シルエット。
この瞬間、いかにかっちょ良く見えるかって、けっこう大事な気がするんですよねw




購入直後のテントですが、早速使ってきました!

10月下旬に差し掛かった、南アルプス 甲斐駒ケ岳。黒戸尾根 七丈小屋のテント場です。

最低気温は−3℃ともっとも結露しやすい気温に、朝方からはかなり強い風が吹いていました。

しかしテント内には一切の結露はなく、ツェルトと比べれば当然ではありますが風による影響はほぼ感じませんでした。
フライシートがバサバサ言うだけで、テント本体の形状が圧迫されるようなことはなかなか無いと考えられます。
朝起きると、フライシートの裏側には当然結露が見られますが、それでもフライシートが弛んでしまうような事はありませんでした。
フライシートとテントの接続のゴムや、フライシート各辺、前室のペグループに設置されたゴムひもがかなり良い仕事をしているものと考えられます。


まだ使い始めたばかりなので分かって無い事もあるかも知れませんが、今のところとても良く出来たテントに感じられます。
今後、トレッキングではテントを使用することが多くなると思いますので、期を見て再びレビューを書いてみたいと思います。
これからテントを購入される方の参考にして頂ければ幸いです♪

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