登山のロープワーク " クレイムハイスト "

 

 

プルージックと並ぶ、フリクションノットの代表格。
巻きつけた部分を握ればテンションを解くことができ、末端部分にテンションをかければすぐにロックするとても便利な結びです。
一方向にしか効きませんが、その分とても強く効いてくれます。

例えばロープ1本に対して巻きつける場合、プルージックなどよりもずっと安心して使うことが出来ます。

ただしトラバースを伴う様な登攀に使用する場合には、少し使いにくいと思います。特性を理解した上で活用しましょう。 


クレイムハイストは、プルージックと並ぶフリクションノットの代表格の1つです。

プルージックの様にどちらの方向にもロックがかかる訳では無く、結びの方向を間違えると危険です。しかしその一方で、フリクションノットとしての効きはプルージックよりずっと強く、しかもうまく巻きつければアッセンダーの様に手で繰り出さなくても進むことが出来ます。
特性を理解し、使い分けることで安全性や利便性はさらに高まるでしょう。
使う道具はプルージックと同じ。細引きで作ったロープスリングを使います。

フリクションノット用に作ったロープスリングを、ここでは"フリクションノットコード"と呼んでいます。

 

原則として、7mm × 150cm のアクセサリーコードをダブルフィッシャーマンズノットで輪にしたものを使います。

ただし 8mm ロープなど、細経のロープに対しては 6mm のアクセサリーコードを使用したほうが良い場合もあります。

 

ロープと細引きの相性がありますので、使用前に必ず効きを確かめましょう。

また使用する細引きのメーカーによっても、使いやすさに差があります。
高いものではないので、いくつか試し、使いやすいものを探しましょう!

 


フリクションノットコードの、結び目の反対側あたりをロープに添えます。



ロープを添えた部分を指で固定し、3回キレイに巻きつけます。



指で抑えた部分にできている輪に、巻きつけた末端を通します。



下方向に末端を引っ張りながら、写真の様にキレイに形を整えれば完成です。



巻きつけた部分を持てば、かんたんにロックを解除できます。



末端部分に、下方向に対してテンションがかかるとクレイムハイストがロックします。
この末端部分に安全管付きカラビナを付け、ハーネスやその他対象物と繋いで使用します。



末端を上方向に引き上げ、全体を緩めると抵抗なく巻きつけ部分を引き上げることができます。
途中で下方向に荷重が移れば、すぐにロープとフリクションノットコードがロックします。
ちょうどアッセンダーと同じような働きとなります。

ロープが屈折したりして抵抗があると、クレイムハイストが締まって動きが悪くなることがあります。
動きが悪くなった場合、再度少し緩めて使用してください。



 

アッセンダーの様に使う場合、アッセンダーと同じく両端が固定されたフィックスロープに使用する事が前提となります。

基本的に下方向にしか効きませんので、トラバースなど、どちらに荷重がかかるかわからないような場合にはプルージックの方が適しているでしょう。適材適所、使い分けに注意して下さい。
ヨーロッパの登山シーンでは、もっとも使われるフリクションノットがクレイムハイストだそうです。
慣れればプルージックよりかんたんに結べ、解除もスピーディー。
とても便利なので、是非覚えてみてください^^

 Kuri Adventures では、気楽に参加できる" 登山のワークショップ " を行っています。実際に直接指導させて頂きます。

初めての方でも十分楽しんで頂ける、アットホームなワークショップですので、是非お気軽にご参加下さい♪

 

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