登山を行っていると、時にビバークに追い込まれることがあります。
捻挫して下山が大幅に遅れた、ちょっとした道間違えで時間をロスした、初参加のパーティーメンバーが想像以上に遅かった、怪我をした仲間と共に翌朝の救助まで待機しなくてはならない。
この様な事態は誰にでも起こり得ることであり、全ての登山者に可能性があります。
ビバークで最も重要なのは保温です。ツェルトで雨風を避ける話は良く耳にすると思いますが、それと同時に大切なのが地面の断熱です。
森で手に入る素材で、ビバーク時の床断熱方法をお伝えします。
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ビバーク時の地面からの断熱方法
登山におけるビバークは特別なことではなく、全ての登山者に起こり得る事です。
怪我や道迷いなどで大幅に時間をロスしたり、始めて参加したメンバーが想像以上にペースが遅かったり。山の中で日が落ちてしまうこともあります。
山慣れしたメンバーで安定した登山道を歩く場合なら、ヘッドライトでの夜間歩行も考えられます。
しかしそこが岩稜であったり、沢の中であったりした場合には、夜間行動は極めて危険。また下山までにまだ何時間もかかる場合にも、夜間行動は避けた方が無難でしょう。
この様な場合には、山の中でビバークを行う必要があります。
ビバークにおいて最も重要なのが保温です。
温かいテントや寝袋、マットを持っているテント泊登山ならともかく、日帰りや小屋泊の場合には最低限の装備しか持っていないことが多いと思います。
この様な状況でのビバークで特に注意しなくてはならないのが低体温症です。
ツェルトで雨風を避ける話は聞くと思いますが、それに加えて地面からの断熱もかなり重要です。
風を避けたり放射冷却の影響を小さくすることができるツェルトの中にいれば、空気による熱伝達のロスはかなり小さくすることができます。しかし地面への熱伝導はもっとずっと大きなロスになります。
そこでビバークを行う際に、まず地面からの断熱処理を行わなくてはなりません。
今回はこの断熱方法の一例について紹介します。
まず森の中で小枝を拾います。
できれば枝分かれしている部分は全て折り取り、一本の棒状にした方が良いです。
大凡人が寝るスペースくらい縦方向に枝を敷き詰めたら、引続き横方向に枝を並べていきます。
これを繰り返し、地面から5cm程度高さを出しましょう。
続いて落ち葉をたっぷりと枝の上に乗せ、足で踏み固めます。
人が寝てもふんわりとした感触になるまで積み重ねましょう。
その上にツェルトを設営します。
まずツェルトの床部分をつなぎ合わせます。小枝のベッドが覆われるような感じにツェルトを置き、綺麗な長方形になるようにペグダウンします。
可能であればグランドシートも用意しておくと、枝によりツェルトに穴が空いたり、落ち葉に隠れたダニの被害を少なくすることができます。
(グランドシートは、雨天時に焚き火を起こす場合や低体温症対策のラッピング時、冬季であれば雪洞の入り口を塞いだり、負傷者を運ぶための担架を作ったりと、いろいろ役立ちます。できれば用意しておきましょう。)
最後にツェルトを設営して完成です。
落ち葉が多い季節ならツェルトの中を落ち葉で埋め尽くすようにして眠ると、氷点下に差し掛かるような気温の中でも眠りにつくことも可能です。
そうでない季節なら人が4人位入り、背中合わせに寄っかかり合いながら座れば氷点下でもわりと暖かく過ごせます。比較的温かい時期なら、この断熱方法で眠ることもできます
限られた装備の中で厳しい夜を過ごすこととなりますが、可能な限り睡眠はとったほうが翌日の行動に影響が出にくくなります。
ここでお伝えしている技術は、ビバークにおけるほんの一部の技術の紹介に過ぎません。
安全にビバークを行うためには、定期的に安全な場所でビバークを経験しておくことが大切です。
例えば車でアクセスできるキャンプ場など、いざという時に避難できる場所や十分な防寒装備を用意した上で、実際のビバークを想定した訓練を行っておきましょう。
またビバークは安易に判断しないようにしましょう。
低体温症を引き起こすリスクや睡眠不足による行動中の負傷リスクなど、ビバークそのものにもリスクがあります。
特に冬期にはこのリスクが極めて高くなります。
もちろん、日没後でも安全に下山できると判断した場合を除いては、ビバークを早めに決断することも大切です。
ビバークは登山の一部であり、限られた人にしかやってこない状況ではありません。誰にでも起こり得るものです。
事前に様々なケースを想定し、持つべき最低限の装備を常に用意しておきましょう。
またどのような装備が必要なのかを判断するためにも、やはり訓練は大切です。
この情報が皆さまの安全登山にお役立て願えれば幸いです。
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