雪山登山技術 - 雪洞の掘り方 -

 

 

雪山登山の大きな危険に、気温の低さがあります。
寒いということは、ただそこに居るだけで命を奪われると言うこと。
万が一ビバークに追い込まれれば、非常に厳しい状況に陥ります。

しかし、もし雪洞を素早く作ることができればどうでしょう?

風雪を遮り、寒気を遮断する雪洞の中は、常に室温が0℃前後を保たれます。

決して温かい環境と言うわけではありませんが、それでも十分耐えることができる寒さです。実際に、自然界に生きる動物達は、こうして生き延びています。
そんな雪洞の作り方を学びましょう!


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雪洞の掘り方

 

 

雪山登山には様々な危険がありますが、その一つに気温の低さがあります。

寒いと言うことは、ただそこに留まるだけで低体温症に陥り、最終的には命を奪われるということです。雪山登山で怪我をしたり、暴風雪などで身動きが取れなくなったり、道迷いで夜が近づいてくれば、それはとても厳しい状況に陥ります。

 

しかしもし雪洞が掘れれば、状況はかなり改善します。

雪はその70%程度が空気であり、非常に高い断熱性を持っています。仮に外気が−20℃を下回る様な寒さであっても、雪洞の中は雪の温度である0℃前後を保ってくれます。
その一方で、内部でいくら火を起こしても、気化熱により温度を奪われ、結局0℃前後から変わりません。

それでも外と比べれば雲泥の差!
雪洞の中は常に0℃前後を保たれる、ちょっと肌寒いくらいの環境になります。

雪洞内部でツェルトなどを被れば、さらに5℃~10℃くらい温度をあげられます。
マットや厚手のダウンジャケットなどがあれば、十分仮眠をとることもできます。
雪洞を掘れること、そしてそのための装備、ビバークの為の装備を持っていれば、雪山のリスクの一部を大きく軽減できます。

まずは知識として身につけていきましょう。

 


まず十分な深さがあるかプローブで確認します。

3m程度あると安心です。




掘る方向も、十分な空間があるか確認します。

収納人数が横になれる空間が必要です。

緊急時でも、体育座りの状態で入れるサイズが最低限必要となります。



斜面の手前を足で踏み固め、少し地面を掘ります。
凡そ、人がしゃがんだくらいの高さを目安とすると良いでしょう。

 

掘り進める時は、ショベルで溝を切ってブロック単位で切り取っていきます。
天井には十分な厚みを持たしておきましょう。
入り口から50cm程度進んだあたりから、横への拡大をはじめましょう。



内部を広げながら、どんどん掘っていきます。
入り口にツェルトやシートなどを広げ、その上に雪を置いておけば、あとで雪を捨てるのが楽になります。
人が一人横になれる程度の空間を作りましょう。

 

夜の間に溶けて天井が下がってきますので、作成段階で床を掘り、十分な天井高にしておきましょう。快適度の面からも、天井高は横の広さより重要です。

天井はなるべく滑らかに仕上げることで、水がポタポタ垂れてこなくなります。

床の端に一段低くなる溝を掘っておくと、寒気が足元から抜けて快適です。



雪洞が出来上がったら入り口をシートなどで覆います。

雪洞の入り口から50cm進んだところから空間が広がっているので、その手前の雪の層を活用してピッケル、スノーバー、拾ってきた枝の横埋めなどで固定しましょう。
エマージェンシーシートなどを使用する場合、30cm程度の細引きを輪にしたものを3~4本程度用意しておき、シートの固定用にすると便利です。

シートが無い場合は内部から雪を盛って入り口を塞ぎます。

この場合、必ず拳3つ分程度の隙間を残しておき、換気しておきます。

 



内部の壁に穴を開けて小さな棚を作り、ロウソクを置いておくと照明として便利です。
ロウソクは酸素濃度15%程度で火が消えます。通常待機中の酸素濃度は20%程度。ロウソクが点かなくなると言うことは、すなわち換気するべきであると言う目安にもなります。

内部温度は0℃前後になりますので、内部でツェルトをかぶれば、その内部は5℃~10℃くらいになります。バックパックなどの上に座り体温消失を避ければ、まどろむ程度に仮眠がとれるでしょう。

マットと温かい防寒着を持っていれば、十分眠ることもできます。 



 

ここでは一人用の十分寝れるスペースを確保する方法をお話していますが、仮にもっと緊急な状況であれば体育座りで収まるギリギリの大きさでも構いません。例えショベルが無くとも、ピッケルや鍋などで凡そ30分程度で掘ることができます。 

 

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また大人数で協力し合えば、大きな雪洞を掘り、快適空間に仕上げることも可能です。
テントを装備から外すなど、装備の大幅な軽量化を図れます。
雪洞なら、寝袋も3シーズン用で十分です!

厚手の防寒着を使用したり、プラティパスやナルゲンで湯たんぽを作れば快適に眠れます。

 

雪洞は、何度か経験しないとなかなか難しい部分もあるかと思います。特に雪洞泊としてキャンプをするのでは無く、最低限の装備でビバークするとなると尚更です。

 

 

まずは雪の多い地域に赴き、危険の少ない場所で実際に雪洞に泊まってみましょう。
その経験は、いざという時に命を救います。

 

 


Kuri Adventures では雪洞に関する講習も行っています。

現場で雪洞を作っても良い地形を学び、実際に自分自身で穴を掘り、ビバークを行ってみる。指導者監修の安全な環境で雪洞を体験しておくことで、いざという時に的確な雪洞作りが行える様に技術を養います。

 

雪洞に関することをお伝えすることで、皆様の安全登山に繋がれば幸いです。

 

下の動画で、さらに詳しく説明しています。

是非ご覧頂ければ幸いです ^ ^

 

 

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よりしっかりと学習したい方は講習もご利用下さい!


雪洞体験

 

雪山登山の大きな危険の1つに低体温症があります。
気温が低いと言うことは、ただそこでじっとしているだけで命を奪われると言うこと。雪山登山におけるビバークは、極めて困難な状況になります。
安全に雪山でのビバークを行うために、雪洞を作って泊まる技術が欠かせません。

 

料金:13,880円(税別)



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