グランドシートでハンモックのアンダーカバーを作ってみた!

ハンモックの寒さ対策にはアンダーキルトを使う訳だけど、大雨の時には地面からの跳ね水で汚れたり、風が強い時はアンダーキルトの温まった空気が対流してしまい、アンダーキルトをしてても寒さを感じてしまうもの。そのアンダーキルトを防水生地で覆ってしまえば、雨風によるトラブルを下げられるのではないかと考えました。

先日の記事では グランドシートを使って万が一ハンモックが破れてしまった際のバックアップのハンモックを作る方法を紹介したわけだけど、ここでもグランドシートを使ってアンダーカバーも担っていけないかと思うのです。
ハンモックの場合はできればグランドシートはあった方が便利だし、ってか、万が一に備えた予備のハンモックとしてどうせ持っていくんなら、これを活用しない手は無いなと思うわけです。

 

で、早速試してきてみました!

うーーーーん。この時点で案外悪くないのだけど、風にはバタつくよね。
これだけでも泥はね対策はほぼほぼ完璧だし、保温性にやや欠けるものの、風もだいぶ避けられるとは思う。だけどやたらスリングとカラビナを多用していろいろ工作しなきゃいけないのはちょっと手間だし、何よりもスマートでは無い。
アンダーキルトと同じ様に、各辺がクシュクシュっと絞れれば良いのだよなー。

アライテントのアンダーシート2の場合、各角の補強の為に生地を当ててあり、それを縫い付けているステッチが入っています。それよりも内側に穴を開けないと紐が通せないので、この位置にハサミを入れます。強度を損ないすぎないように、切れ目はステッチに届かない範囲で!

すっぽ抜け防止にオーバーハンドノットで結びを作ります。コードロックを使っても良いのでけど、軽量化の為にあえて採用せず。スリップノットで止めることにしました。(不便だったら追加するかも?)
紐は保水しないように 2mm のダイニーマコードを使用。太さ的にはこれより太いと入らないし、これより細いとすっぽ抜けちゃう。使えるコードロックもほとんど存在しなくなります。2mm が無難かと。

さらに長辺側の中央部にポンチで穴を開けてハトメをカシメます。その穴にアクセサリーカラビナを設置し、ハンモックのサイドリフター用のループに接続することで中央部のバタつきを抑えます。

写真はバンジーコードですが、これはイマイチでした…。アクセサリーカラビナが吉!

これを直接アンダーキルト用のループにアクセサリーカラビナで接続します。(多くのハンモックにアンダーキルト接続用のループが縫い付けられています。個人的に愛用している KAMMOK Roo Single も、Cocoon Ultra Light hammock も、ほぼ同じ位置にループがります。他のメーカーは分かりませんが、この2つは同じアンダーカバーの作り方で使えるはずです!ただしセンターのサイドリフターループは KAMMOK Roo Single の方にしか付いてません。)

各辺のコードを引いて絞ってみると?

ほれみろバッチリ!!これ、めちゃくちゃ良くね?

アンダーキルトとアンダーカバーのクリアランスも程良く、実際に体重をかけるとクリアランスも小さくなります。でも密着はしないので、結露した水が内部に溜まったりしてもキルトを濡らさないし、キルトが圧迫されてロフトを潰すことによる保温力低下も防げます。ってか、僅かにクリアランスがあることで、確実に保温力も1ランク上がるかと!


さらについでにもういっちょ!
ちょっと強引だけど、ザックカバーとしても使えそうです。
各辺のコードを目一杯引いて絞り込み、片短辺側のループをセンターのカラビナに接続してショルダーハーネスと固定します。
ちょっとダボ付いて見えますが、たぶん泊まり登山装備なら割とちょうど良いくらいのサイズになると思う。

 

この時点で、

 

・グランドシート

ハンモック破損時の予備ハンモック

・アンダーカバー

・レインカバー

 

と、4つもの役割を果たしている。

これが実測で僅か 216g なんだから優秀だと思いません?

裁縫が苦手な方でも、超簡単に作れます。自分でカスタマイズした道具って、それだけでなんか凄く嬉しいものだし、実際にハンモッカーにとってはかなり便利な道具となると思うのですよ。
ここで使っている商品を下にリンク貼っといたので、是非試してみて下さい(*´ω`*)




Kuri Adventures では登山教室を通じて様々な登山技術を指導しています。ロープを使った確保技術などを中心に、主に安全登山に関わる技術をお伝えしています。もっと安全に登山を楽しみたい方、より幅広い登山を楽しみたい方にこそ、是非学習機会を設けて頂ければと考えております。皆様のご参加も心よりお待ちしております!


栗山 祐哉

Kuri Adventures 登山教室の企画全体を受け持つ代表主任講師。

登山歴25年。誰も通らないようなルートを地形図から探し出し、泥と苔の藪岩登攀を好む土臭いアルパインクライマー。

生粋の山道具オタクで、より快適で合理的な登山装備の在り方を日々探求し続けている。そう、インストラクターとしての業務の一環であり、これは断じて無駄遣いではない!!

ロープによる安全確保技術を専門とし、確保技術を多くの登山者に伝えていくことで、遭難死因第一位である転滑落を限りなく " 0 " に近づけることができると信じ、日々活動中。