【雪山登山の手袋】防寒テムレスのカスタマイズ!

 

防寒テムレスは作業用ゴム手袋として開発されたもので、ゴム手袋ならではの絶対的防水性に加え、透湿性のある素材で作ることでゴム手袋の弱点である蒸れを解消した素晴らしい商品です。この特性により冬季登攀用手袋として10年ほど前からアルパインクライミングの世界で使われるようになり始めました。
作業用ゴム手袋特有の強烈な青い色が醸すダサさがありましたが、昨今では黒いカラーも登場し、さらには手首にカフまでつけた登山を意識した商品も登場。これにより一気に一般登山者の間でも普及しました。
防寒テムレスは保温力に欠ける点、ビレイや懸垂下降時にデバイスに手が巻き込まれる危険性があるなどのリスクがありますが、その圧倒的な作業性と防水性は他に代えがたいメリットがあります。僕は作業性を優先して防寒テムレスを直着用(インナーグローブは無し)し、ビレイや懸垂下降時、停滞時、強風の稜線歩行時などにはオーバーミトンを防寒テムレスの上から着用することで対応しています。

灌木に素早くスリングを巻き、アイススクリューに小さなカラビナを確実にクリップし、Vスレッドにロープを通すなど、細かい作業を手袋したまま行わなくてはならない冬季登攀では防寒テムレスが大いに役立ちます。一般的な雪山登山においても、アイゼンやワカンの脱着のしやすさ、ラッセルの際の防水性、テント泊でも翌朝凍らないなど多くのメリットがあるでしょう。

 

しかし登山専用に開発されたグローブと言うわけでは無いので、ちょっと使いにくい部分もあります。そこで防寒テムレスブラックのウィンター02をベースに、より使いやすい様にカスタマイズしてみました♪

 

グローブ同士をつなぐプラパーツは、僕は使ってないので切り取っちゃいました。

 

チャムスのプラスチックカラビナを通し、ハーネスやバックパックのショルダーにクリップして携行できるようにしています。

 

ちょっぴりダサいテムレスのロゴはアルコールを染み込ませたティッシュで拭き取って消しちゃいますw

 

手首にバンドを取り付けます。バンド中央部だけ縫い付け、接着剤で接着。針穴も接着剤で目止めしておきます。

 

バンドはロープを買った時についてたマジックテープを再利用しました。ほら、なんか高級感あるww

 

手首にはリーシュとなるバンジーコードを接続し、脱着の際に風でふっとばされない様にしました。

 

左手にはタッチペンを取り付け、グローブを外さなくてもスマートフォンをイジれる様にしています。これ便利♪

 

防寒テムレスはとても操作性に優れた手袋ですが、行動食を食べたり、カップラーメン作ったりなど、本当の意味での細かい作業はやっぱり難しい。極薄の手袋も別途ポケットに入れておいて、本当に細かい作業を行うときには素早く付け替えます。素手になる時間は作らないようにしましょう。

 

とても使いやすい防寒テムレスが、カスタマイズによってさらに使いやすくなりますよ!
カスタマイズに使用する部品類を下にまとめました。是非試してみて下さい♪

 




雪山登山講習

 

雪山登山に必要な歩行技術、初動停止技術、滑落停止技術、雪洞ビバーク体験、などの技術講習に、実際に谷川岳までの実践山行を組み込んだ一泊二日の雪山登山技術の講習です。

雪山登山をこれから始める方、我流で続けてきた方におすすめです。

しっかりと身に着け、安全に雪山登山を楽しみましょう!

 




Kuri Adventures では登山教室を通じて様々な登山技術を指導しています。ロープを使った確保技術などを中心に、主に安全登山に関わる技術をお伝えしています。もっと安全に登山を楽しみたい方、より幅広い登山を楽しみたい方にこそ、是非学習機会を設けて頂ければと考えております。皆様のご参加も心よりお待ちしております!


栗山 祐哉

Kuri Adventures 登山教室の企画全体を受け持つ代表主任講師。

登山歴25年。誰も通らないようなルートを地形図から探し出し、泥と苔の藪岩登攀を好む土臭いアルパインクライマー。

生粋の山道具オタクで、より快適で合理的な登山装備の在り方を日々探求し続けている。そう、インストラクターとしての業務の一環であり、これは断じて無駄遣いではない!!

ロープによる安全確保技術を専門とし、確保技術を多くの登山者に伝えていくことで、遭難死因第一位である転滑落を限りなく " 0 " に近づけることができると信じ、日々活動中。