ツェルトやタープをロープで設営する場合、木と木の間に強いテンションをかけてロープを張りたいものです。
しかし実際には普通にロープを渡すだけではしっかりとテンションをかけて張れず、ダランとだらしなくロープが渡るだけになってしまいます。
しっかりとロープを張るには、滑車の原理を利用した、特殊なロープワークを使用したシステムを構築する必要があります。
ツェルトやタープを張る際に、木と木にロープを渡すことがあります。
森林限界以下で、しっかりとした支柱となる木が生えている場合、トレッキングポールや流木などを使って設営するよりも遥かに強固に設営することが出来ます。どんな強風が吹いても、ペグが抜けないかぎり倒壊することはありません。
沢登りやアルパインクライミングでのビバークに、きっと役立つはずです!
是非覚えておきましょう^^
トラッカーズヒッチと自在結び
トラッカーズヒッチと言う、滑車の原理を利用して、弱い力でも強くロープを張ることができるシステムを作ります。
さらに自在結びと言う、後からでも張り具合を調整できる結び方を組み合わせることで、ロープに緩みが出てきても簡単に張り直すことができる状態を作ります。
ロープを渡す木と木のそれぞれに、1~2周ロープを巻き付け、ボーラインノット(もやい結び)で結びます。この時、少なくとも片側はループ状になるよう少し余裕をもって結んでおきましょう。
片側のループにロープを通して折り返します。
ロープを折り返した側の木から、凡そ1尋(150cm程度)のところに、バタフライノットで輪っかを作ります。
バタフライノットで作った輪っかに、先ほど折り返したロープを通します。
さらに折り返してロープを引っ張り、テンションをかけていきます。
この時点で滑車の原理が発生しており、理屈上では3倍の力でロープを引っ張れていることになります。
(実際には非常に大きな摩擦が発生しているので、せいぜい2倍程度だと思います^^;)
最初に折り返したロープの輪か、もしくは木でロープを折り返します。
折り返したロープを、張ったロープに絡みつけます。
写真の様に一回絡ませた状態の結びを3つ作ります。
最後に、ダブルフィッシャーマンズノットでロープを固定します。
この結び方を覚えておくことで、他に何も道具がなくてもロープに強いテンションをかけて張ることが出来ます。
レイジングシステム
レイジングシステムは、本来レスキューの為の技術です。
絶壁に落ちた人を引き上げたり、セカンドで登ってくるクライマーをアシストする場合などに使ったりします。
基本的にはトラッカーズヒッチと同じ、滑車の原理を応用した技術です。
より簡単に、よりしっかりと張ることができるので、レイジングシステムも覚えておくと良いでしょう!
片側の木に、1~2周ロープを巻き付け、ボーラインノットで固定します。
反対側の木にはスリングを巻きつけ、カラビナ二枚をセットします。
ロープのたるみをひっぱり、ガルダーヒッチを結びます。
ATCガイドなどのダイレクトビレイデバイスを使ったり、戻り防止機能を取り付けたプーリー、アッセンダーなどを使っても構いません。
トラッカーズヒッチよりもこのシステムの方が簡単ですね!
でもクライミングでのサポートに使うような場合、テンションの解除がガルダーヒッチでは難しくなります。ダイレクトビレイに対応したビレイデバイスを使うほうが良いでしょう。
レスキューで使う場合にも、ガルダーヒッチでは抵抗が大きくなりすぎてしまいます。
このような場合にはプーリーなどを使用しましょう。
トラッカーズヒッチとレイジングシステムのやり方について、動画で詳しく説明しています。
是非見てみて下さい^^
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